台風や大雪のあと、「庭の木が倒れて車や屋根を傷つけた」というご相談が毎年寄せられます。倒木の多くは、ある日突然起きるわけではありません。実は数年前から、木は「危ないサイン」を出しています。出雲市で樹木医として庭木を診てきた立場から、ご自宅で確認できる3つのサインをお伝えします。
サイン1:幹の根元にキノコが生えている
根元や幹にキノコ(サルノコシカケの仲間など)が出ている木は、内部で腐朽が進んでいる可能性が高いサインです。キノコは、木の内部を分解している菌の「実」のようなもの。外から見える部分は小さくても、幹の中が空洞になっていることがあります。
サイン2:幹に大きな傷・空洞・樹皮のはがれがある
車をぶつけた跡、大きな枝を切った跡、樹皮がはがれて木部が見えている部分などから、雨水と菌が入り込みます。特に、昔の剪定で太い枝を幹ぎりぎりで切った跡は要注意です。たたいたときに「コンコン」と軽い音がする部分は、内部が傷んでいるかもしれません。
サイン3:木が傾いてきた・根元の土が盛り上がった
以前より傾きが大きくなった、根元の片側の土がひび割れたり盛り上がったりしている場合は、根が切れたり腐ったりして、木を支えきれなくなっている可能性があります。強風の前後で傾きが変わっていないか、スマートフォンで同じ位置から写真を撮っておくと比べやすくなります。
実際にあった事例
事例:出雲市内の民家で、キノコが生えていた木
出雲市内の民家の庭で、幹からキノコが生えている木を見つけました。葉の茂りも幹の形も普通で、見た目は健全な木そのもの。一般の方が見ても、危ない木だとはまず気づかないと思います。
しかし、生えていたキノコの種類と性質から判断すると、すでに腐朽菌が幹の内部に広がり、中が腐っていることは明らかでした。そこでお客様に状況をご説明し、伐採をご提案しました。
実際に伐採してみると、幹の内部は外見からは想像できないほど柔らかくなっていました。そのまま放置していれば、強風や大雪をきっかけに倒れていた可能性はかなり高かったと考えられます。倒木が起きる前に処置できた事例です。
この事例のように、キノコは木が出す大きな危険サインのひとつです。さらに、キノコの種類によって、内部の腐朽がどの程度進んでいるか、どれくらい危険かをある程度見きわめることができます。根元や幹にキノコを見つけたら、見た目が元気な木でも一度ご相談ください。
「切る」以外の選択肢もあります
危険なサインが出ていても、すぐに伐採が必要とは限りません。傷んだ枝だけを落とす、支柱で支える、樹勢を回復させる治療を行うなど、木を残す方法もあります。反対に、見た目は元気でも、家や道路に倒れる位置にある木は早めの判断が必要です。「残せる木」と「切るべき木」を見きわめるのが、樹木医の仕事です。
まとめ:気になったら写真1枚でご相談ください
- 根元にキノコがある
- 幹に大きな傷や空洞がある
- 傾きが増えた・根元の土が盛り上がった
ひとつでも当てはまる場合は、樹木クリニックまたはLINEから、木の全体と気になる部分の写真を送ってください。

