雨がやんで2日たつのに、庭の水たまりが消えないのはなぜ?

ご相談:雨がやんでも、庭の一角だけ水が引きません

「出雲市の住宅地に住んでいます。新築から4年ほどの庭なのですが、まとまった雨が降ると、庭の北側の一角だけ水たまりができ、二日たっても消えません。その場所の芝は薄くなり、去年植えたシマトネリコも葉が黄色くなってきました。土が悪いのだと思うのですが、表面の土を入れ替えれば直るのでしょうか。」(出雲市・K様)

樹木医の回答

「土が悪い」よりも「土が締まっている」ことがほとんどです

水が引かない庭を掘らせていただくと、地表から15〜30cmほどのところでスコップが急に入らなくなる、硬い層に当たることがよくあります。造成時や建築工事中に重機やトラックが何度も通り、土が押し固められてできた層です。この層が地中のフタのようにはたらくため、上からしみ込んだ水は行き場を失い、地表に残ります。つまり原因は土の「質」ではなく「構造」にあることが多く、表土だけを入れ替えても、フタが残っていれば同じことが繰り返されます。

大雨のあと、芝生の庭に水がたまり池のようになっている様子
画像:Nakonana (Wikimedia Commons) / CC BY-SA 4.0

山陰に多い真砂土は、締まると水を通しにくくなる

中国地方は花崗岩が広く分布し、その風化土である真砂土(マサ土)が、造成の埋め戻しや庭土としてよく使われます。真砂土は扱いやすく施工性に優れる一方、有機物が乏しく団粒構造ができにくいため、雨と踏圧を繰り返すうちに細かい粒どうしが詰まって固結しやすい性質があります。「砂っぽい土なのに水はけが悪い」という一見矛盾した状態は、この固結が原因であることが少なくありません。

対策を決める前に、掘って確かめてください

工事の内容を考える前に、水がたまる場所で直径30cmほど・深さ40cmくらいの穴を掘り、水を張って引き方を見る簡易な透水テストをおすすめします。見るポイントは三つです。

  • スコップの手応え:地表から何cmのところで急に硬くなるか
  • 水位の下がる速さ:1時間で数cm以上下がればまずまず、ほとんど動かなければ排水不良
  • 穴の壁の色:青灰色っぽい層や、鉄さび色の斑が出ていれば、長期間水に浸かっているサインです

硬い層が浅いところにあるならご自分でも改善できますし、深いところまで水が抜けないなら、水の出口そのものを作る工事が必要になります。ここを確かめずに土を入れると、費用をかけたのに変わらない、ということが起こります。

直し方は三段階で考える

一つめは、硬い層が浅い場合。その層を突き破るように深く耕し、バーク堆肥や腐葉土などの有機物を混ぜて、団粒構造を育てていきます。このとき砂だけを足すのは逆効果になることがあります。粘土分と混ざって、かえって締まりやすくなるためです。

二つめは、水の抜け先がない場合。暗渠排水が有効です。地中に有孔管を埋め、砕石で包んで、側溝や浸透ますへ水を逃がします。庭全体に張り巡らせなくても、水がたまる一角から流末までの一本を通すだけで、状況が変わることもあります。

三つめは、そもそも地面が平らすぎる場合。地表に1〜2%程度のゆるやかな勾配をつける整地です。地中を直すより手早く、効果が出るのが早いケースもあります。

いま植わっている庭木を守るためにできること

すでに植えてある木は、根鉢の位置を簡単には動かせません。それでも打てる手はあります。

  • 移動できる低木は、根鉢の上面が周囲の地面より5〜10cm高くなるよう植え直す(高植え)
  • 水がたまる側を通り道にしない。踏圧が減るだけで、表土がゆるみ回復に向かうことがあります
  • 幹まわりにバークチップなどでマルチングし、乾湿の差をやわらげて表土の固結を防ぐ
  • 弱った木にすぐ肥料を与えない。根が傷んでいるときの施肥は、追い打ちになりやすいためです

ご相談のシマトネリコは、丈夫な木ではありますが、根が長く水に浸かる環境は得意ではありません。根が酸欠になると水を吸えなくなり、葉が黄変して落葉します。順番としては、まず水を抜くこと。肥料はそのあとです。

秋は、排水の手直しに向いた季節です

秋は雨が増える一方で、木の地上部の活動が落ち着き、根が動きはじめる時期でもあります。土をいじる負担が真夏より小さく、水の流れも確認しやすい。排水の改良と植え替えをまとめて行うなら、これからの時期が好機です。雨の日に長靴を履いて庭に出て、どこからどこへ水が流れているかを見ておくと、それだけで有力な手がかりになります。

まとめ

水たまりが引かない庭は、土の質より「締め固め」と「水の出口」の問題であることがほとんどです。まずは掘って確かめる。そのうえで、耕すのか、暗渠を入れるのか、勾配をつけるのかを選んでいきます。

Takezo Farmでは、出雲市・松江市・米子市を中心に、庭の排水診断から暗渠排水・土壌改良、そして庭木の植え直しまで承っています。「毎年同じ場所で木が枯れる」というお庭こそ、原因は地面の下に隠れています。気になる場所がありましたら、お気軽にご相談ください。