松江で秋に植える庭木。夏を越えた庭を整える植栽の考え方

松江の庭に、夏の疲れが見えていませんか

朝夕の風に、ほんの少しだけ涼しさが混じるようになりました。松江でお暮らしの皆さまも、そろそろ庭に出るのが億劫でなくなってきた頃ではないでしょうか。

そうして久しぶりに庭をぐるりと眺めてみると、思いのほか草木が疲れた顔をしていることがあります。葉の色があせてしまった低木、日照りで葉先が傷んだ庭木、いつのまにか土が見えてしまった花壇の足元。夏のあいだ、水やりが追いつかなかった場所ほど、その差がはっきりと出てきます。

けれど、そこで気を落とす必要はありません。秋は、庭の緑を整えるのにとても適した季節です。夏に傷んだところを手直しし、新しい木を迎え入れるには、これからの数か月がちょうどよい頃合いになります。今日は、松江での施工の経験をふまえながら、秋の植栽について考えていただきたい視点をご紹介します。

松江で秋の植栽を考えるときに知っておきたいこと

秋が庭木の植え付けに向いている理由

庭木を植える時期として、春と秋がよく挙げられます。なかでも秋は、これから寒さに向かうぶん、木にかかる負担が小さい季節です。

夏に植えた木は、根が十分に張らないうちに強い日差しと乾燥にさらされ、水を吸い上げる力が追いつかずに弱ってしまうことがあります。その点、秋に植えた木は、気温が下がっていくなかでゆっくりと根を伸ばし、冬を越えて春を迎える頃には、しっかりと土になじんだ状態になります。落葉樹であれば、葉を落として活動が穏やかになる時期に植えられるため、なおさら移植の負担が軽くなります。

もちろん、常緑樹のなかには寒さが苦手な種類もありますので、その場合は厳寒期を避け、秋の早いうちに植えておくと安心です。植える時期ひとつで、その後の育ち方は大きく変わってきます。

また、秋に植えたからといって、そのまま放っておいてよいわけではありません。雨の少ない日が続けば水やりは必要ですし、根が張るまでのあいだは風で株元が揺すられないよう、支柱で支えておくことも大切です。植えてから最初のひと冬をどう過ごすかで、その木が土地になじむかどうかが決まると言っても大げさではありません。

秋から冬にかけて景色をつくる樹種の選び方

秋に庭を考えるなら、これからの季節に見どころのある木を選んでみるのも楽しいものです。

たとえば紅葉を楽しめる落葉樹は、秋の庭の主役になってくれます。窓から見える位置に一本あるだけで、季節が移っていく様子を毎日の暮らしのなかで感じられます。実のなる木も、この時期ならではの魅力があります。小さな実が色づくと、鳥が訪れるようになり、庭に思いがけない賑わいが生まれます。

香りを楽しめる木を加えてみるのも、この季節ならではの選び方です。秋に花をつける木のなかには、風にのって甘い香りを届けてくれるものがあります。窓辺や玄関先など、日々必ず通る場所の近くに植えておくと、花の姿が見えなくても季節の訪れに気づかせてくれます。

一方で、冬に葉を落とした庭が寂しくならないよう、常緑の木や刈り込みを組み合わせておくことも大切です。緑を絶やさない部分と、季節ごとに表情を変える部分。この二つがほどよく混ざり合っていると、一年を通して見飽きない庭になります。

夏を越えた庭を、手直しするという考え方

秋の植栽は、新しく木を植えることだけを指すのではありません。今ある庭を整え直すのにも、ちょうどよい季節です。

夏に伸びすぎた枝を整理すると、風通しがよくなり、木の内側まで日が届くようになります。込み合った枝を透かしておくことは、翌年の姿を整えるうえでも意味があります。また、下草が減ってしまった場所や、雑草に悩まされた場所は、この時期に土を整え、植え替えておくと、来春の手間がずいぶん軽くなります。

「植える」だけでなく「整える」。その両方を秋のうちに済ませておくことが、翌年の庭を楽にしてくれます。

松江での植栽施工事例|Takezo Farmの実績から

Takezo Farmは創業から40年、山陰の地で庭と外構に向き合い、施工実績は3,000件を超えました。そのなかから、植栽の考え方が伝わる事例をいくつかご紹介します。

事例1|レンガで縁取った花壇と、庭の中心になる一本

新築のお住まいで、駐車スペースと砂利敷きのあいだに、やわらかな曲線の花壇を設けた事例です。レンガで縁取ることで、砂利と土の境目がすっきりと分かれ、庭に一つの「まとまり」が生まれました。

中心には枝葉の広がる木を据え、その足元に色味の異なる低木を添えています。植えたばかりの頃は少し頼りなく見えるものですが、数年をかけて枝を伸ばし、やがて建物の外観と釣り合う姿になっていきます。植栽は、完成した瞬間ではなく、育っていく過程まで含めて考えるものだと感じさせてくれる庭です。

レンガで縁取った曲線の花壇に庭木と低木を植えた植栽の施工例

事例2|石と灯籠が静けさをつくる、和の庭

こちらは、白い化粧砂利を敷き広げたなかに、石組みと灯籠、手水鉢を据えた和の庭です。刈り込んだ松や、これから育っていく雑木を組み合わせ、限られた広さのなかに奥行きを持たせています。

和の庭では、緑そのものと同じくらい、石の据え方が景色を左右します。どの石をどの向きで置くかによって、庭全体の落ち着きが変わってきます。松江には昔から手入れの行き届いた庭が多く残る土地柄もあり、こうした和のしつらえを望まれる方は今も少なくありません。

石灯籠と手水鉢、松や雑木、石組みを配した白い化粧砂利の和風庭園の施工例

事例3|下草と化粧砂利で、足元を静かに整える

三つ目は、建物まわりの細長い場所を整えた事例です。幅の限られた場所ですから、大きな木を植えることはできません。そこで、平板と玉砂利を組み合わせ、そのあいだに細い葉の下草を点在させました。

足元がきちんと整っていると、庭全体が引き締まって見えます。加えて、土がむき出しの状態を減らしておくことは、雑草の抑制にもつながります。広い場所ばかりが庭ではありません。ほんの数十センチの幅でも、手を入れれば景色になります。

松江の気候風土と、秋の植栽の相性

松江は宍道湖と中海に挟まれた土地で、湿り気を含んだ空気が流れる日が多い地域です。冬になれば北西からの季節風が吹き込み、山陰特有の曇りがちな空が続きます。この気候は、植栽にとって良い面と、気をつけたい面の両方を持っています。

良い面は、乾燥しにくいことです。関東や瀬戸内の一部の地域に比べると、冬場に土がからからに乾いてしまうことは多くありません。植えたばかりの木が根付くうえで、これは心強い条件になります。

ただし、湿り気が多いということは、水はけへの配慮が欠かせないということでもあります。雨のあとに水たまりが残るような場所にそのまま木を植えると、根が常に水に浸かった状態になり、かえって傷んでしまうことがあります。植え付けの前に土を入れ替えたり、周囲より少し高く土を盛ったりといった下ごしらえが、その後の育ちを大きく左右します。見えなくなってしまう部分ですが、庭づくりではここに手を抜かないことが何より大切だと考えています。

一方で気をつけたいのは、風と雪です。冬の季節風が当たり続ける場所では、常緑樹の葉が傷んだり、片側にばかり枝が伸びる姿になることがあります。植える位置を決める際には、建物や塀がどの方角の風を遮ってくれるかを見ておくと、その後の育ち方が違ってきます。雪についても、枝の広がる樹種を選ぶ場合は、重みで枝が折れないよう仕立て方を考えておくと安心です。

また、松江は城下町として長い歴史を持ち、武家屋敷の庭や社寺の境内など、手入れが受け継がれてきた緑が今も身近にあります。そうした風景に育まれてきた土地では、派手さよりも落ち着きのある庭が好まれる傾向があると感じています。Takezo Farmは島根県景観賞をいただいたこともありますが、それも、この土地の景色になじむ庭を積み重ねてきた結果だと考えています。

土塀と飛び石、刈り込まれた植栽と石組みで構成された落ち着いた和の庭の施工例

まとめ|松江で、秋からはじめる庭づくり

秋は、庭木にとって負担の少ない植え付けの季節であり、夏に傷んだ場所を整え直すのにも適した時期です。紅葉や実のなる木でこれからの季節を楽しみ、常緑の緑で冬の寂しさを補う。そうしたバランスを考えながら選んでいくと、一年を通して眺めていられる庭に近づきます。

そして松江の庭では、湿り気のある空気、冬の季節風、雪の重み。その土地ならではの条件を織り込んで植える位置や樹種を決めることが、長く付き合える庭づくりにつながります。

まずは、ご自宅の庭をゆっくり歩いてみてください。夏のあいだに気になっていた場所、緑を足したい場所、逆に少し整理したい場所。それを書き出してみるだけでも、次の一歩がずいぶん見えてきます。

Takezo Farmでは、こうした植栽のご相談も承っています。どんな木がよいか決まっていない段階でも構いません。庭の環境を一緒に見ながら、これからの季節に合った整え方をご提案します。この秋が、松江での庭のある暮らしを一段と楽しんでいただくきっかけになれば嬉しく思います。