こんにちは、Takezo Farmです。今回は、松江市にお住まいのお客様からいただいたご相談を、樹木医が回答する形式でご紹介します。
ご相談内容
「庭のクロマツの葉が、夏の終わりごろから急に赤茶色になってきました。去年までは青々としていたのに、今年に入って一気にしおれてきた気がします。これは病気でしょうか?」(松江市・60代男性)
樹木医の回答
そのご様子は、いわゆる『マツクイムシ』による松枯れ(マツ材線虫病)の可能性が高いです。マツクイムシという名前は虫のようですが、実際に松を枯らす直接の原因は「マツノザイセンチュウ」という体長1ミリ程度の線虫です。この線虫は自分では木から木へ移動できず、「マツノマダラカミキリ」という甲虫の体に取りついて運ばれます。カミキリが松の若い枝の樹皮を食べる際に、線虫が傷口から樹体内に侵入し、水を吸い上げる組織を詰まらせてしまうことで、松が急速に枯れていきます。
松江市を含む山陰地方は、白砂青松と呼ばれる松林や海岸の防風林など、クロマツ・アカマツが景観や暮らしを支える大切な木として多く植えられている地域です。だからこそ、マツクイムシの被害は庭木だけでなく地域の松林全体にとっても見過ごせない問題とされています。

見分け方のポイント
被害を受けた松は、まず樹脂(松ヤニ)の出方が悪くなり、その後、前年に伸びた古い葉から先に萎れ始めます。さらに進行すると、その年に伸びた新しい葉まで急にしおれて赤褐色に変色し、多くの場合、夏から秋にかけて一気に木全体が枯れてしまいます。他の病気に比べて進行が非常に速いのが特徴で、青々としていた木が数週間から数か月で赤茶色に変わってしまうことも珍しくありません。
対策の考え方
マツクイムシ対策は、予防・駆除・再生の3つに分けて考えるとわかりやすいです。予防としては、マツノマダラカミキリが活動を始める春先に薬剤を散布したり、幹に薬剤を注入して線虫の侵入・増殖を防ぐ方法があります。すでに枯れてしまった松については、その中にいるマツノマダラカミキリの幼虫を退治するために、伐採して薫煙処理やチップ化などの適切な処理を行うことが、翌年以降の被害拡大を防ぐうえで重要です。景観の再生を図る場合は、被害に強い抵抗性を持つ品種の松を植栽する方法も選択肢になります。
あわせて注意したいポイント
マツクイムシの被害は、放置している枯れ松が近隣に残っていると、そこからカミキリが飛来して新たな被害を広げてしまうことがあります。出雲市や米子市でも、庭の松だけでなく近隣の松林の状態が気になるというご相談をいただくことがあります。自分の庭木だけでなく、周辺の松の様子にも目を向けていただくと、早期発見・早期対応につながります。
まとめ
- マツクイムシ被害の正体は、カミキリムシが運ぶ『マツノザイセンチュウ』という線虫
- 前年の古い葉から萎れ始め、夏から秋にかけて急速に赤褐色化して枯れるのが特徴
- 春の薬剤予防と、枯れた松の早期伐採・処理が被害拡大を防ぐカギ
- 抵抗性のある松への植え替えも、景観再生の選択肢のひとつ
Takezo Farmでは、松江市・出雲市・米子市を中心に山陰地方全域で、庭木の病害虫の診断から剪定・防除まで承っております。松の葉の色や樹脂の出方が気になるときは、お気軽にご相談ください。





