猫と暮らす家の間取りを考えるとき、多くの方がまず気にされるのが「キャットウォークをどこに、どのくらいの高さで付けるか」です。ところが実際に設置してみると、「高すぎて猫が登らない」「板が細くて途中で降りてしまう」「掃除ができない場所ができてしまった」といった悩みが出てくることが少なくありません。キャットウォークは見た目のかわいらしさよりも先に、猫の体のサイズと動き方に合わせた寸法設計が必要な設備だからです。
今回は、Takezo Farmが庭づくり・外構リフォームのご相談の中でよくお伝えしている、キャットウォークの高さと幅の基本的な考え方を整理してご紹介します。あわせて、その動線をガーデンルームまで延ばしたときに、猫の暮らしがどう変わるのかについても触れていきます。

猫が高い場所を求めるのは、安心したいから
猫はもともと、木の上や岩場のような立体的な環境で暮らしてきた動物です。高い位置から周囲を見渡せる場所は、外敵や他の猫の動きをいち早く察知できる安全地帯であり、同時に「ここは自分の場所だ」と確認できる縄張りの拠点でもあります。室内で暮らす猫が棚の上やタンスの上に登りたがるのは、いたずらではなく本能に沿った行動なのです。
また猫は、犬のように長い距離を走り回るよりも、短い距離を跳び上がったり跳び降りたりする「垂直運動」で運動量を稼ぐ動物です。床面積が限られた住まいでも、壁面を使って上下の動線をつくれば、生活空間そのものを広げてあげられます。キャットウォークが「あると楽しい飾り」ではなく「猫の運動と心の安定に関わる設備」と言われるのは、このためです。
高さの基本ルール
段差は「猫が無理なく跳べる範囲」に収める
段板と段板の間隔は、一般的に20〜40cm程度が扱いやすい範囲とされています。成猫であればもっと高く跳べますが、毎日何十回も往復することを考えると、余裕をもって歩幅の延長として登れる高さのほうが体への負担が小さくなります。特に子猫やシニア猫、体重の重い子が一緒に暮らしている場合は、低めの段差に寄せておくと安心です。
また、段板を真上に一直線に並べるより、左右に少しずつずらして互い違いに配置するほうが、猫は自然な体の使い方で登り降りできます。降りるときは前脚から着地するため、登りやすさだけでなく「降りやすさ」も同時に検討することが大切です。
最上段は天井との間に余裕をつくる
一番上の段は、猫が座ったときに頭が天井に当たらない高さに抑えます。猫は高い場所で丸くなったり伸びをしたりして過ごすため、立ち上がっても窮屈にならない空間があるかどうかで、そこが定位置になるかが変わります。人の手が届く高さかどうかも忘れずに確認しておきたいポイントです。体調を崩した猫を抱き上げる場面や、掃除のことを考えると、脚立なしで手が届く範囲にとどめておくほうが日々の管理は楽になります。
幅・奥行きの基本ルール

踏み板の奥行きは、猫が方向転換できるかどうかが判断の目安になります。通過するだけなら細い板でも歩けますが、途中で立ち止まって振り返ったり、Uターンして戻ったりする動きを考えると、体がしっかり乗る奥行きが必要です。おおむね20cm前後を下限と考え、休憩場所を兼ねる段はさらに広く取っておくと、猫が安心して寝そべれる場所になります。
- 通過用の段:体が乗り、方向転換できる奥行きを確保する
- 休憩用の段:寝そべっても手足がはみ出さない広さにする
- 角は面取りし、爪や肉球を傷めない仕上げにする
- 表面は滑りにくい素材を選び、着地時のすべりを防ぐ
- 多頭飼いなら、すれ違える幅か、迂回できる分岐を用意する
多頭飼いのご家庭では、幅の設計がそのまま猫同士の関係に影響します。一本道のキャットウォークは、相性の悪い子同士が鉢合わせしたときに逃げ場がなくなってしまいます。行き止まりをつくらず、どこかで回り込める動線にしておくと、無用な緊張を避けられます。
ガーデンルームまで動線を延ばすと、猫の一日が変わる
ここまでは室内のキャットウォークの話ですが、その動線の行き先にガーデンルームがあると、猫の過ごし方は大きく広がります。ガーデンルームは屋根と壁で囲まれた半屋外の空間で、外の光や風、庭の音を感じられる一方、猫が外に飛び出してしまう心配がありません。脱走や交通事故、他の動物とのトラブルを避けながら、外の刺激だけを届けられる場所として、猫との相性がとても良い設備です。
猫は日なたを追いかけて一日のうちに何度も居場所を変える動物です。ガーデンルームは光の入り方が時間とともに変わるため、朝は東側の窓辺、昼は奥のベンチ、夕方はまた別の場所と、猫が自分で快適な位置を選べます。窓の外を通る鳥や虫、揺れる木の葉といった動く景色も、室内だけでは得られない良い刺激になります。
設計上のポイントは、室内のキャットウォークとガーデンルーム内の棚やステップの高さをそろえておくことです。段差の感覚が途中で変わらなければ、猫は一続きの道として認識してくれます。あわせて、ガーデンルームへの出入口には網戸や小さな通り道を設け、人の出入りとは別に猫が行き来できるようにしておくと、日中も自由に使ってもらえます。人がくつろぐ椅子やテーブルを置きながら、その上の空間を猫が歩く。ガーデンルームは、人と猫が同じ場所で別々にくつろげる、数少ない空間でもあります。
よくあるご質問
せっかく作っても猫が使ってくれないことはありますか?
あります。多いのは、入口の一段目が高すぎる場合と、行き先が何もない場合です。最初の一段を低くし、動線の終点に窓辺や寝床など「行きたくなる場所」を用意しておくと、使われる確率がぐっと上がります。
既存の家にも後から設置できますか?
可能です。ただし壁の下地の位置によって固定できる場所が決まるため、事前の確認が欠かせません。下地が取れない壁面では、床と天井の間で突っ張る支柱や、独立した柱を立てる方法を検討します。
掃除やお手入れは大変ではありませんか?
抜け毛やほこりは必ず溜まりますので、手が届く高さに収めておくことが最大の対策です。取り外して洗える布類を組み合わせておくと、日常のお手入れはさらに楽になります。
猫と暮らす庭づくりは Takezo Farm へ
キャットウォークの高さと幅は、猫の年齢・頭数・性格、そして家の構造によって最適な答えが変わります。図面の上だけで決めず、実際にその猫がどう動いているかを見ながら組み立てていくことが、長く使ってもらえる動線をつくる近道です。
Takezo Farmでは、出雲市・松江市・米子市を中心に、ガーデンルームの設置から外構リフォーム、猫と暮らすための庭づくりまでご相談をお受けしています。ガーデンルームは実際に中に入ってみないと、光の入り方や広がりの感覚がつかみにくい設備です。展示場で空間の大きさを体感していただきながら、ご自宅の間取りと猫の暮らし方に合ったプランを一緒に考えていきましょう。「今の家に後付けできるだろうか」といった段階のご相談でも構いませんので、どうぞお気軽にお声かけください。

