前回は、エゴノキについてお話しました。
その前の話題の「株立ち」についてお話します。
木の形には、幹が1本の「単幹」と幹が3本以上の「株立ち」があるといいました。
株立ちは、山の大木が大風等により折れて倒れたあと、新しい芽が沢山出て、
何本も幹が伸びた状態が始まりです。
幹が細く、何本も出ていると風に揺られてやわらかいイメージで洋風や自然風のイメージにピッタシだったのでしょう。
生産としては、一度大きく育った木を根元で切断し、再度吹かしなおして作りました。
しかし、この方法だとても時間がかかります。
当然、同じ高さの庭木でも、単幹よりも株立ちの方が非常に高くなってしまいます。
そこで、最初から3~5本の苗木を寄せて植えておけば、株立ちが作れるので、
そうやって短時間で株立ちの生産をするようになったわけです。
どちらも株立ちですが、区別して呼んでいます。
根が一つの株立ちを「本株」、苗木を寄せた株立ちを「寄せ株」といいます。
よく、株本に穴が開いて腐っているようになっているのが本株です。
見た目は、寄せ株の方が根元がきれいに見えますが、実は本株の方が長い時間を感じさせてくれ趣きがあります。
因みに、本株は根が枯れたら枝も全部枯れますが、寄せ株は根がそれぞれバラバラなので、1本だけ枯れることがあります。
どちらが良いというわけではありませんが、生長のスピードなどにより効率的な生産方法を編み出した結果なのでしょう。
ちょっと、注目してみてみると面白いですよね。
次回は日陰が大好きな庭木を紹介します。